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感染症予防 新型コロナウィルス


新型コロナウィルス(Novel Coronavirus 2019) 感染症『COVID-19』について

 2019年12月31日、中国政府当局より世界保健機構(WHO)に対して中国湖北省武漢市で検出された原因不明の肺炎の発生が報告され、2020年01月07日、当該肺炎患者から新型コロナウィルスが特定されたとする予備的な確定が中国当局により行なわれました。 その後、各国政府当局より、新型コロナウィルス感染症例が報告され、日本においても症例が確認されています。
 WHOは、2020年2月11日に新型コロナウィルスによる肺炎の名称を『COVID-19』に決めたことを発表しました。

 コロナウイルスは、一般的な風邪から中東呼吸器症候群や重症急性呼吸器症候群などのより深刻な病気を引き起こすウイルスの大きなファミリーです。コロナウイルスは動物と人間の間で感染が起こりうる人畜共通感染症の原因となるウィルスですが、新型コロナウイルスはその遺伝子学的特長から MERS-CoV, SARS-CoV, HCoV-OC43, HCoV-HKU1と同じβグループに分類されます。SARS-CoVはジャコウネコからヒトに、MERS-CoVはヒトコブラクダからヒトに感染したこと、また、いくつかの既知のコロナウイルスはまだヒトに感染しておらず、動物間で循環していることが詳細な調査によりわかっています。


治療・予防:
 COVID-19(新型コロナウィルス感染症)は新興感染症に該当しますので、感染経路に関する情報が十分得られていない現状においては、標準予防策、飛沫予防策、接触予防策、加えて必要時に空気感染対策が十分に実施できる医療機関での入院が必要となります。2020年2月1日に COVID-19(新型コロナウィルス感染症)は、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定されたことにより、疑似症患者や確定患者に対する入院措置やそれに伴う医療費の公費負担、検疫における診察・検査等の実施が可能となりました。
 コロナウィルスは原則として有症者の咳やくしゃみを介する飛沫感染により伝播します。ウィルスで汚染した手指を介して目・口の粘膜から感染が広がるといわれていますので不用意に口や鼻、目を触らないように注意しましょう。この時期は風邪やインフルエンザが多いことを踏まえて、咳エチケットや手洗い・うがいを行なうこと、消毒用エタノール製剤を用いた手指・環境の消毒をこまめに行なうことなどが有効です。
 又、特にご高齢の方や高血圧・心臓病・糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方は休養や睡眠を十分にとって、食事に気をつけることなどを心がけてください。


臨床症状:
 潜伏期間は2〜10日で、その後に発熱、咳、全身倦怠感などの風邪のような症状が現れます。 より重症の場合、本感染症は肺炎、重症の急性呼吸器症候群、腎不全、さらには死を引き起こす可能性があります。



病原体:ヒトに感染するコロナウイルス
(出展:NIID国立感染症研究所ホームページ)

ヒトに蔓延している風邪のウイルス4種類と、動物から感染する重症肺炎ウイルス2種類が知られています。

1.風邪のコロナウイルス
 ヒトに日常的に感染する4種類のコロナウイルス(Human Coronavirus:HCoV)は、HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1で、風邪の10〜15%(流行期35%)はこれら4種のコロナウイルスを原因とします。冬季に流行のピークが見られ、ほとんどの子供は6歳までに感染を経験し、多くの感染者は軽症ですが、高熱を引き起こすこともあります。HCoV-229E、HCoV-OC43が最初に発見されたのは1960年代であり、HCoV-NL63とHCoV-HKU1は2000年代に入って新たに発見されました。

2.重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)
 SARS-CoVは、コウモリのコロナウイルスがヒトに感染して重症肺炎を引き起こすようになったと考えられています。2002年に中国広東省で発生し、2002年11月から2003年7月の間に30を超える国や地域に拡大しました。2003年12月時点のWHOの報告によると疑い例を含むSARS患者は8,069人、うち775人が重症の肺炎で死亡しました(致命率9.6%)。当初、この病気の感染源としてハクビシンが疑われていましたが、今ではキクガシラコウモリが自然宿主であると考えられています。雲南省での調査では、SARS-CoVとよく似たウイルスが、今でもキクガシラコウモリに感染していることが確認されています。ヒトからヒトへの伝播は市中において咳や飛沫を介して起こり、感染者の中には一人から十数人に感染を広げる「スーパースプレッダー」や、医療従事者への感染も頻繁に見られました。死亡した人の多くは高齢者や、心臓病、糖尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人であり、子どもには殆ど感染せず、感染した例では軽症の呼吸器症状を示すのみでありました。

3.中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)
 MERS-CoVは、ヒトコブラクダに風邪症状を引き起こすウイルスですが、種の壁を超えてヒトに感染すると重症肺炎を引き起こすと考えられています。最初のMERS-CoVの感染による患者は、2012年にサウジアラビアで発見されました。これまでに27カ国で2,494人の感染者がWHOへ報告され(2019年11月30日時点)、そのうち858人が死亡しました(致命率34.4%)。大規模な疫学調査により、一般のサウジアラビア人の0.15%がMERSに対する抗体を保有していることが明らかになったことから、検査の俎上に載らない何万人もの感染者が存在していることが推察されます。その大多数はウイルスに感染しても軽い呼吸器症状あるいは不顕性感染で済んでおり、高齢者や基礎疾患をもつ人に感染した場合にのみ重症化すると考えられています。重症化した症例の多くが基礎疾患(糖尿病、慢性の心、肺、腎疾患など)を前もって患っていたことが解っています。15歳以下の感染者は全体の2%程度でありますが、その多くは不顕性感染か軽症でした。ヒトからヒトへの伝播も限定ではありますが、病院内や家庭内において重症者からの飛沫を介して起こります。年に数回程度、病院内でスーパースプレッダーを介した感染拡大が起こっていますが、市中でヒトからヒトへの持続的な感染拡大が起こったことは一度もありません。2015年に韓国の病院で起こった感染拡大では、中東帰りの1人の感染者から186人へ伝播しました。

4.動物コロナウイルス
 コロナウイルスは家畜や野生動物などの、我々の周りに棲息するあらゆる動物に感染し、様々な疾患を引き起こすことも知られています。イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ウマ、アルパカ、ラクダなどの家畜に加え、シロイルカ、キリン、フェレット、スンクス、コウモリ、スズメからも、それぞれの動物に固有のコロナウイルスが検出されています。多くの場合、宿主動物では軽症の呼吸器症状や下痢を引き起こすだけでありますが、致死的な症状を引き起こすコロナウイルスも知られています。家畜では豚流行性下痢ウイルス(PEDV)、豚伝染性胃腸炎ウイルス(TGEV)、鶏伝染性気管支炎ウイルス(IBV)、実験動物ではマウス肝炎ウイルス(MHV)、ペットでは猫伝染性腹膜炎ウイルス(FIPV)が致死的です。コロナウイルスの種特異性は高く、種の壁を越えて他の動物に感染することは殆どありません。


参考資料

1)WHOホームページ
  https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019
2)NIID国立感染症研究所ホームページ
  https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html
3)JDSC感染症疫学センター
  https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-idsc/2482-corona/9305-corona.html
4)一般社団法人 日本環境感染症学会 一般市民向け 新型コロナウィルス感染症に対する注意事項
  (2020年2月3日)


関連リンク

厚生労働省 新型コロナウィルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html   



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