第2類医薬品 クレゾール石ケン液は、黄褐色〜赤褐色の粘稠性の液剤で、特異なクレゾール臭を有します。
成分として、クレゾール42〜52vol%(m-クレゾール約30%、p-クレゾール約15%)を含みます。
クレゾールは1850年代に発見され、1887年にKochが初めて医療に使用した優れた殺菌成分ですが、水に対する溶解度が低いため長い間医療用医薬品として応用されませんでした。1884年にクレゾールを石ケンと混和することによって可溶化できることが報告され、1890年にクレゾール石ケン液の殺菌力の優秀性が立証されるに至り、広く消毒剤として使用されるようになりました。本製剤は20世紀初頭から各国の公定書に収載され、その後それぞれ数回にわたって処方が変更されて現在に至っています。
手指・創傷面の殺菌・消毒
便所、便器、ごみ箱、たんつぼ、浄化そう等、疾病の予防のために必要と思われる場所の殺菌・消毒
次のように水で希釈して洗浄する。
1.手指の消毒の場合 :2%(本剤の50倍液)
2.創傷面の殺菌の場合:1%(本剤の100倍液)
3.便所等の消毒の場合:3%(本剤の33倍液)
〈用法・用量に関連する注意)
1.定められた用法・用量を厳守すること。
2.外用にのみ使用し、内服しないこと。
3.小児に使用する場合には、特に注意し、保護者の指導監督のもとに使用すること。
4.本品は使用濃度においてもクレゾール臭を有するので、適用箇所に十分注意すること。
また、クレゾール臭を長時間吸わないように注意すること。
5.本剤は水道水で希釈すると次第に混濁して沈殿することがあるが、このような場合には、
上澄み液を使用すること。
〈希釈方法〉
33倍液:本剤を30mLとり、水1Lにうすめる。
50倍液:本剤を20mLとり、水1Lにうすめる。
100倍液:本剤を10mLとり、水1Lにうすめる。